Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちちのしゅっきょう

父の出郷

葛西 善蔵

Leggi 父の出郷 (ちちのしゅっきょう) di 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9047 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

も考えられたが、しかしとにかく泣くということを私は非常に好まなかった。

「とにかく貴様のような意気地なしは俺には世話ができないから、明日早速国へ帰れ!」と私は最後に言った。

すぐにも電報と思ったが、翌朝方丈の電話を借りさせて、東京の弟の勤め先きへすぐ来るようにとかけさせた。弟の来たのは昼ごろだった。

「じつはね、Fを国へ帰そうと思ってね、……いや別にそんなことで疳癪を起したというわけでもないんだがね、じつはもうこれ以上やれきれないんだよ。去年もあんなことで年を越せなくて二人で逃げだしてさんざんな目に会ったが、今年はもっと状態がわるい。身体の方ばかしでなく神経の方もだいぶまいっているらしい。毎晩ヘンな夢ばかし見てね、K君のことやおふくろのことや、……俺は少し怖くなった、とにかく早くここを逃げだしたい。僕も後から国へ帰るか、それとも西の方へ放浪にでも出かけるか、どっちにしても先きにFを国へ帰しておきたいから……」

「いやそういうわけでしたらなんですけど、三月といってももうじきですからね、Fさんが中学に入りさえすれば、また私たちの方で預ってもどうにでも都合がつきますからね……」