Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うしをつないだつばきのき

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Leggi 牛をつないだ椿の木 (うしをつないだつばきのき) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9096 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

」

と、利助さんが答えました。

二

海蔵さんが人力曳きのたまり場へ来ると、井戸掘りの新五郎さんがいました。人力曳きのたまり場といっても、村の街道にそった駄菓子屋のことでありました。そこで井戸掘りの新五郎さんは、油菓子をかじりながら、つまらぬ話を大きな声でしていました。井戸の底から、外にいる人にむかって話をするために、井戸新さんの声が大きくなってしまったのであります。

「井戸ってもなア、いったいいくらくらいで掘れるもんかイ、井戸新さ。」

と、海蔵さんは、じぶんも駄菓子箱から油菓子を一本つまみだしながらききました。

井戸新さんは、人足がいくらいくら、井戸囲いの土管がいくらいくら、土管のつぎめを埋めるセメントがいくらと、こまかく説明して、

「先ず、ふつうの井戸なら、三十円もあればできるな。」

と、いいました。

「ほオ、三十円な。」

と、海蔵さんは、眼をまるくしました。それからしばらく、油菓子をぼりぼりかじっていましたが、

「しんたのむねを下りたところに掘ったら、水が出るだろうかなア。」

と、ききました。それは、利助さんが牛をつないだ椿の木のあたりのことでありました。