Classici giapponesi con furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集 一 (こぶ) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.259 caratteri · 96 schermate
そしてそのためには多少は喰われたって仕方がないと打算しているのだ。「うむ、村民の中には、そういう考え方をしているもの――つまり瘤を必要とするような状態のものもあるわけなんだ。」
「しからば俺は一体、どちらを代表すればいいのだ。悪鬼の如く排撃する方の側か、それとも多少は喰われても薄氷上の財産を擁護してもらいたい方の側か……」
とかくするうちに村会の日がやって来た。いつも半数集まればいい方だと聞いているにも拘らず、その日ばかりは「顔合せ」の意味もあるのか(酒肴がつきもの)ぽつぽつとみんながやって来る。会場は役場の二階であるが、大方――いやそんな形式ばったところはいつも使用されず、事務室に隣る十二畳の一部屋が会場になるのである。真ん中に切った炉にはすで瀬戸ひきの鉄瓶がかけられ、いい加減温っている。無論、中味はただの湯ではない。村長はまだやって来なかったが、村議たちは助役を囲んで雑談しながらちびりちびりはじめていたのである。
やがてモーニングを着用した堂々たる瘤のご入来であった。六十五歳とはどうしても思われない六尺ゆたかの、よく肥った半白と言いたいが、まだそれほどでもない頭髪を綺麗に撫でつけ、無髯のあから顔、そして左頬の下へぶら下った偉大なる肉塊――それが歩くたびにゆっさゆっさと顔面と共に揺れる。