Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

Leggi 犬田卯短編集二 (いちろうじん) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.383 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

それに二合瓶……やっぱり地所持は違ったもんだ。俺らもはア、孫のおびときの時や、いくらなんでもこれ位のことはしてえもんだ。」

「寒かっぺから、これ飲んだらどうだや」と彼女は二合瓶を傍の土瓶へあけて火の上にかけ、

「戦地からお艶らお父の写真来てたっけよ。一枚はこう毛のもじゃもじゃした頭巾みてえなもの冠って、剣付鉄砲かかえて警備についていっとこだっけが、一枚は上等兵の肩章つけた平常の服のだっけよ。眼がばかにキツかっけが、まさか戦地だものな……でも、おっかねえほど豊さんに似てたっけ……」

「そりゃ豊さんの写真だもの……」と作造は酒の温るのを待ちきれず茶碗へ一ぱい注いでぐっと飲み干しながら笑った。

「それからお艶ら写真もお父へ送ってやったなんて、一枚残っていたっけ。人絹ものだが、でも立派なお祝の支度をして、ちゃんと帯を立矢にしめて、そりゃ可愛かったわ。豊さんもあれ見たらうれしかっぺで……女の子って可愛もんだな、ほんとに俺も一人ほしかっけ……野郎らばかりで、ぞろぞろ飯ばかりかっ食らいやがって……」

「出来ねえ限りもあんめえで……まアだ。」

「あら、この親爺め、はア、酔っ払って……駄目だよ、折詰へ手つけては……あしたの朝、餓鬼奴らに見せて喜ばせんだから……こんな旨いものめったに見られねえんだから……一口ずつでもいいから食わなけりゃ