Classici giapponesi con furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate
「ええッ。このような残酷い事をば誰がした……誰がした……タ……タッタ一人の大切な娘をば……祝言の日を前にして……ええッ。誰がした。誰がした。誰がした事かいなあッ……」
その声は、さながらに腸を絞る悲痛な声に変って、涙と一緒に迸るのであったが、しかし蔵元屋の主人は、やはり眼も口も開かなかった。両手をシッカリと拝み合わせて尻餅を突いたまま肩を戦かしてタメ息をするばかりであった。
死骸から遠退いて腕を組んだまま突立っていた目明の良助は、そうした二人の態度から眼を離さなかった。そこから何かしら事件の秘密を見て取ろうとしているらしく瞬き一つしなかった。
そのうちに蔵元屋の番頭や若い者らしく、身軽に扮装った男が四、五人、息堰き切って駈付けて来た。ソレ莚よ、棺桶よ、荷い棒よと騒ぎ始めた。
「ああ。コレコレ。蔵元屋の若い衆。ちょっと待った。只今、御目付の松倉十内様が御検屍として御出役になる迄は、その死骸に指一本指すことは相成らんぞ。それよりも誰か、この辺の名主を呼んで来て受持たせなさい。それまで古い莚をかけるか何かして確と番をしておんなさい。わしは目明の良助じゃ」