Classici giapponesi con furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate
「その心配は無用無用。それと言うのはかの野西がなかなか奢いた奴でなあ。羽二重の襦袢に博多織を締めとったけに、その中へ石を詰めとけば心配はない。羽二重や博多織は墓の中でも一番しまいまで腐り残るけになあ。今頃は鯉か鯰の餌食になりよろう。これで胸がスウッとしたわい」
赤猪口兵衛は眉一つ動かさずに揮毫を続けていた。
「アハハ。役柄にも意地があるばいのう」
「イーヤ。意地ではない。これが目明根性と言うものか、話の筋がつづまらぬと、腹の虫が承知せんわい」
「うむうむ。そこがアンタの他人と違う処ばい。お役目仕事じゃない証拠じゃ」
「何でもよい。そこでその野西から取上げた調書と、証拠の風呂敷を松倉様の手から差出いたら、大目付では大層なお喜びで、松倉さんは直ぐに御加増の沙汰と聞いた」
「ヘエ。そうしてアンタは……」
「まだわからん。松倉さんが黙りコクッて御座る処を見ると、一文にもならぬかも知れぬ」
「呆れたなあ。犬骨折って鷹に取らるるか……腕も知恵もないザマで立身出世ばっかりしたがる上役の下に付いとっちゃあ堪らんのう。人間外れたシコ溜め屋の奉公人とおなじ事じゃ」
「しかし、ほかに気の向く仕事もないけにのう」