Classici giapponesi con furigana
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きつねび
狐火
豊島 与志雄
Leggi 狐火 (きつねび) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5594 caratteri · 11 schermate
その慴えた顔付を見て、彼の方で喫驚した。
俺をおっかながっていやがるな。だが……実際、殺そうと思やあ、こんな奴の二人や三人くれえ……。
彼は落付かなかった。酒もよく廻らなかった。そこそこに辞し去った。
何というこった、俺は……。
その心持がいつまでも納まらなかった。
町の旦那のところへ行くと、彼はやはり向うから弁解めいたことを云われた。お前は立派な人間だ、お前に罪なんかあるものか、私はお前を信じてる、などと顔色を見い見い云われた。外を通ってると、今迄威張りくさってた奴等までが、向うから道を譲って挨拶してくれた。
彼は俄に恐ろしい豪い者になったのを知った。何故だかはさっぱり分らなかった。そしてどうも工合が悪かった。
なあに構わねえ、やっつけてやれ。
しまいに心を据えて、昂然と反り返りながら、五六里先の町との間を、荷馬車を引いて往来し初めた。
四
向うの町にも彼の噂は伝わっていた。仲間の馬方達と飲み合う時には、四方から杯が集ってきた。面と向うと、三公兄貴と呼ばれることが多くなった。彼はそれに次第に馴れてきて、気に喰わぬことがある時には、太い拳を握りしめながら怒鳴りつけた。