Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate

Aozora Bunko

ごらんなさい。あの通り元気ですよ」

宮崎氏はドアの方へ歩いて行って、それを開けた。明智もあとに続く。

「オヤ、オヤ、不作法なお嬢さんだぞ」

宮崎氏が笑い顔で云った。雪江は籐のアームチェーアに寄りかかって、グッタリ眠っている。

「明智さん。可哀想に余程疲れたと見えて、居眠りをしています」

「居眠りですって。あなたは、あれを居眠りだとおっしゃるのですか」

明智が驚いて聞返した。

「居眠りでなくって、外に……」

だが、云っている内に、宮崎氏にも娘の変な様子が分って来た。彼は真青になってツカツカと部屋の中へ這入って行った。

「オイ、雪江、雪江、しっかりしなさい。お父さんだ」

肩を揺っても、グニャグニャと前後に動くばかりで、何の手答えもない。

明智もアームチェーアの側に立って、雪江の様子を眺めていたが、突然常右衛門氏の腕を掴んで、囁き声で云った。

「静かに。何か聞えます。ホラ、あの音は何でしょう」

耳をすますと、ポタ、ポタ、ポタと、雨漏りの様な変な音が断続して聞えて来る。

部屋中を見廻したが、どこにも水の垂れている様子はない。しかも、物音は、つい鼻の先でしているのだ。