Classici giapponesi con furigana
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ねこぐるま
猫車
宮本 百合子
Leggi 猫車 (ねこぐるま) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.310 caratteri · 35 schermate
な気持もある。唖の息子一人を持っていて、三十越して嫁もないその唖息子が金銭出納の帳簿をふりまわし、やがては鍬をふりあげて、株ですりつづける親父を追っかけまわすという有様を想ってぞっとしながら、不思議な力にひきつけられて、その悲惨な過程を一つあまさず目に入れたいような気も心のどこかに働くのである。
この二人の組合仲間が、村にも響いて来る時代のうつり代りで一方は上り、一方は下る、その不安定な推移の間で自分たち一家が汗水をたらし、じりりじりりと競売から家をも救いはじめていることを思い、おさやは思わず坐り直して皸のある手を深く襟元にさし入れた。
煉炭火鉢をさし挾んで、重蔵に気押されるなりに坂口は抵抗している。
「あんたが、あのとき千円出さなんだからあかんのや。わしが五百円、あんたが千円出したら、利だけはちゃんとまわすと云うのに、きかなんだからさっぱりあかん」
「わしは、株という名のつくもんは大根の株でも気にいらん。株にすてる金があったら、女子にすてる方がなんぼかええ。おなごならすてる金だけの愛想はまきよる」
「株ちゅうものは、儲かるように出来ちょる。そんでなくて政府が許しとくものかな」