Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「あのような醜い男を殿御に持てば、浮気をされずに済みましょう」
と、ひどく理詰めな心の寄せ方をする女もいた。
しかし、佐助はそんな女の顔を、ひそかに楓の顔とくらべて、見向きもしなかった。そして、アバタ面のためにかえって人に好かれる自分に、驚くたびに、
「人と交るや、人しばしばその長所を喜ばず、その短所を喜ぶものと、心得べし」
と、訓えた白雲師匠への尊敬の念を新たにしたが、しかし、佐助にひそかに恃む術がなかったとすれば、あるいはその短所のために卑屈になったかも知れず、その時は短所を喜ばれることもなかったであろうとは、果して白雲師匠は気づいたであろうか。
ところで、佐助はあまりアバタの顔をさらけ出しすぎたので、アバタの穴から風がはいったのか、それとも下界の風に馴れなかったのか、間もなく風邪をひいて、寝こんでしまった。
そして、ある日、三好清海入道が病気見舞いにしては、ひどくあわてこんだ恰好でやって来た。
「どうだ、病気は」
「ありがとう。今日あたり起きられそうだ。どうも下界の風という奴は、俺の性に合わぬと見える。いっそ風をくらって、逃げてやろうと思っていたが、どっこい、くらった風が無類の暴れ者、この五体中を駈けずり廻り、横紙破って出たのは、咳やら熱やら、ひどい目に会うてしまったよ。