Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「莫迦をいえ! いかな猿飛といえど、俺の秘策に掛っては……」
「秘策というと……?」
「松明仕掛けの睡り薬で参らすんだ。その作り方は、土龍、井守、蝮蛇の血に、天鼠、百足、白檀、丁香、水銀郎の細末をまぜて……」
そんな陰謀があるとは、知らぬが仏の奈良の都へ、一足飛びに飛んだ佐助は、その夜は大仏殿の大毘盧遮那仏の掌の上で夜を明かした。
「天下広しといえども、大仏の掌で夜を明かしたのは、まずこの俺くらいなものであろう」
と、例によって佐助は得意になっていたが、しかし、翌朝早く眼を覚ますと、にわかに空腹を覚えた。
「なるほど大仏の掌は、天下一の旅籠だが、朝飯を出さぬのが、手落ちだ。といって、あわてて上田の城を飛び出して来たもんだから、一杯六文の奈良茶漬けを食う銭もない」
と、呟いてみたが、そんな駄洒落では腹の足しになるまいと、考えているうちに、ふと頭に泛んだのは、奈良には槍の宝蔵院があるということである。
「そうだ。宝蔵院では試合を求めに来た者には宝蔵院漬けの茶漬けを出すということだ」
そう呟いた途端、佐助の身体はえいという掛声と共に、もう宝蔵院の前に突っ立っていた。