Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate
だって十三絃というものを考え、ピアノのあのいくつものオクターヴを考え、それでもまだ人間のこころの諧音は満たされなくて、あれだけの管と絃とのオーケストラを考えるのですものね。
自分たちのこころにいく条の絃があるか知らないけれども、それが緊張し鳴らんとするとき、高い音から低いなつかしい低音までを、すっかり、一条のこさず、ふさわしいテムポでかき鳴らされるよろこびというものは、本当に、どんなにつつましく表現しても愉悦という、むせぶようなよろこびがあります。理性のいくすじもの絃、感覚のいくすじもの糸。それは互から互へ鳴りわたって、気も遠くなるばかりです。吹く風にさえ鳴るようなときがあるのですものね。互が互にとって手ばなすことの出来ない名器だということが、仕合わせの絶頂であると思います、それは全く調和の問題であり、しかもそれが可能にされる条件の複雑さといったら。めぐり合わせとか、天の配剤とか人力以上のもののように考え、ギリシア人が分身(一つのものが二つに分れている)と思ったりしたのも、素朴な感歎の限りなさから出発して居ります。
お手紙にある「峠」のうた、それが「どこらの峠かときかれるなら」