Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 174.521 caratteri · 344 schermate
太郎は細かく智慧の廻る、働く方よ。
寿江子のところへお手紙ありがとう。わたしは見たいのをこらえて今この机の硯屏にたてかけてあるのよ、水曜の夜来ます、そのままわたしてやろうと。炭もなくあちらの生活大変のようです、どこも大変なのを、あのひとは五年前熱川にいたときの気分で、余り安易に考えすぎ、それで今困っているが、困ったわ。今いるところ引上げると云っても又さあとここの戸をあけてやる人はいないし、わたしひとりハラハラ。でもまあ何とかなりましょう。
本棚の面目一新いたしました。竹早町にあった低い方の本棚はいつも座右にあり特別の棚なのですが、こんど入れかえて、これからよむものを(文学のもの)第一段、という風にして、友達のゴタゴタした本はみんな別の棚にうつしました。さっぱりしました。
太郎が、もう暫くで(九時すぎ)二人が帰るというので落付かながって、二階へ上っていい? と何遍も声をかけます。下へ行くからとどなるの。今夜からやっと私も放免です。太郎と並んでねると、せまくるしいと思うのよ、そして其を現金と思う私の心は、まだ天国から二足ばかり出た太郎には分りません。