Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.453 caratteri · 101 schermate

Aozora Bunko

疲れて、しかし十分働いた満足の感じ。汗が体に滲み出している。鈴虫のことについて書いたエハガキは到着いたしましたか? その鈴虫が今しきりに声を張って鳴いて居ります。おお、何とくたびれたことでしょう。そして、心が微笑している。一種の幸福さ。――

これを書いて感じたことですが、私はこれまでの――昨年五月十日迄の手紙では、こういう風に私の生活、仕事の中からの直接の響きのままの手紙を書きませんでしたね。手紙として整理して書いて居りましたね。おや、どこかでボーが鳴っている。

――○――

二十三日、日曜日です。

ロンドンのローヤル・ソサエティー・オヴ・ブリティッシュ・アカデミーから、父の閲歴について問い合わせが来て、それに答える下書を国男が書き二階の私のところへ持って来た。父の生れた年は明治元年(一八六八)でペシコフと同年でした。只一八六八でいいか、A・Dと加えるかというので大笑いをやって父の仕事のリストのところへ来ると、私は何か一種の興奮を感じました。父は沢山の仕事をして居ります。いろいろ。実に沢山の建物をのこしている。子供達に対して御承知の通りのひとであった父がこれ丈の業績を蓄積している。