Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.810 caratteri · 225 schermate
だから、第一の手紙に申しあげたように、私達は達ちゃんの嫁とり条件を少しましにする方向へお手伝いしようとお母さんにお約束したわけでした。
三年前島田へ来たときは、ほんの五六日でした。お母さんをつれてあなたに会わせ申すのが眼目でしたから。その時野原へは夜一寸おじぎに行ったきり。だからきのうは昼からすっかり屋敷の中を見せていただき、私ははじめて真に荒廃したという家の有様に接し、いろいろ深く感じました。あなたは今の野原の家の建ったのを御存じないのですって? 離れのあったところに便所が出来、そこからつづいて八畳六畳の両椽の座敷があり、鶏舎との間に昔からのザクロや大名竹を植えた小庭があり、元の表の間との間の中庭には岩を入れ、池をつくり、そこに金魚がおよぎ、桜が小さい実をつけている。あなたが勉強なすったという二階(台所の先の方から上る)は人が住まぬままになって居り、となりの室のハタ台や糸をかけたままのワクに積年の塵があった。それから鍵の手につづいている風呂の方、又昔油をしぼった小舎の辺、更に奥へ二棟立ち並んでいる大鶏舎。いずれも、春の明るい陽をうけつつ雑草の間に建っている。