Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate
葦平の感想というのは、同感されますね、その感想にあなたが同感をあらわしていらっしゃるということは、心にどっと流れこんで来るものがあります、本当に、いろいろいろいろ見せて上げたいわね。私が自分を、聖物崇拝者にならせまいと用心している工合を見せてあげたいわね、そして、何だ、ユリ、と云って笑いになるところを見たいと思います。散歩からかえったときのようないつもの机のまわりだったなんて、思えばくやしいわ。毛布にささってわたしのところに来る髪の毛を、どんな心持で一本一本ととって眺めるでしょう。葦平の妻が、いつその心を知っているでしょう。たった片方だけになってかえって来たカフスボタンを紫の小さいきれいな草編み袋にしまって何年も何年も持っていて、これから火にでも追われて逃げるときは其がマスコットと、背負袋に入れている、そんな気持も、書けば、あなたの同感なさることでしょう。語られない生活の編みめの間に、なんとたくさんの色糸が、織りこまれていることでしょう、心づくしというものが、つまりは日々の些事の中にしか表現されないというのは全く本当ね。そういうまめやかな日々のつみ重りの間に、何か突発することが生じたときは、弾力がこもっているからすぐ応急に処置も出来るというわけでしょう。