Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate

Aozora Bunko

万一の場合のためにいろんな書類は第一銀行の保護金庫に入れておく筈です。それは国男のかりているものですが。

(八) 私がいないときのこれ迄の事務能力を見ると、私は安心してわが身一つはどうでもよいと思えません。国男さんが健在だとしても。話し合いの結果、迚もそちらの事務まで責任が負えないから誰か信用の出来る人が対手に欲しいというので、てっちゃんにこまかく話し、国男さんも満足で万一の場合には事務をやって貰います。てっちゃんの承認も得ました。私たちの委任した人として法律上の手続きがある方がやりよいようなら公証人にかかせてそれもやって置くつもりです。

(九) 月末ごろともかく一度そちらへ伺います。そしてそのとき、銀行にタンポになっているものについてお話しいたしましょう。

(十) そのものは母のかたみですから、あなたと私の用に立てて、よく役立てて不用になった時は寿江子にわたします。あれはピーピーの音楽修業で、どうせ一生ピースコなのですから、寿江子は自分が不用になれば甥たちのために考えるでしょうから。

こういう扱いかたは御異存があるでしょうとも思いますけれど、船がひっくりかえって波間を漂うときは小桶一つ板一枚が案外の役に立つようなものでね、その点むしろあわれに、笑える位のものだわ。