Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.557 caratteri · 426 schermate
だから、私が埃立てていて可哀そうとお思いにならなくていいわ。誰だって今日、埃っぽいのよ。借金暮しよ。そんなこともキューキューやりくって見て、智慧もしぼって、しかし人生はやっぱりそのほかのところに人一人生きたというねうちが在るのだと、益※(二の字点、1-2-22)しみじみわかって、人間にうま味もユーモアもついて来るのでしょう。下らない苦労だと云ってしないですむものなら、代々の人間が何のために生きたのか分らないような苦労をつづけて生涯をこんなに綿々とつづけて来てもいないでしょうものね。私は、自分が子供のときのんびり育って、やがて少しは苦労をしのぐ能力も出来、苦労というものについての態度もややましになってから、あれこれのことの起ったのを仕合わせと思って居ります。もし私が子供時代のなりで年だけとったら、どんな半端なものになっていたでしょう。婆ちゃん嬢さんなんていうものは現代では悲喜劇よ。芸術家になんぞなれるものではない。極めて多くの人間が生活のどんなポイントでそれてゆくものか、そのポイントに自分が立ってみなければ分らない、人間の高貴さは観念でもわかるが、弱さは生活のなかをくぐって自分とひととを見なければ分らず、そんなあれこれが生活を知っているかいないかのわかれめとなるのでしょう。