Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうしょうそく

獄中消息

大杉 栄

Leggi 獄中消息 (ごくちゅうしょうそく) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.149 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

しかし僕が家を棄てたのは、それで長男たる責任をまったく抛ったのではない。父の生きている間は父に相応の収入もあり、またその他のすべての点においても、僕が居なくとも事がすむと思ったからだ。用のない家庭の累からまったく僕の身を解放して、そして他に大いに有用な義務を尽そうと思ったからだ。されば家を出てからは、ほとんどまったく弟妹をも顧みず、また父にも僕の廃嫡を願って置いた。僕はこれに対して父や弟妹等がどんなに悲しく情けなく思っていたか、それはよく知っている。しかし時には自ら泣きながらもなおあえてこの行為を続けていた。

しかし父が死んで見れば、僕はそうしてはいられない。僕の責任を尽さねばならぬ。今は僕がやらなければやる人がない。もとより僕の思想は棄てることはできぬ。僕は依然としてやはり社会主義者だ。むしろ獄中の生活は僕の思想をますます激しくする傾きがある。ただもとの僕はほとんど一人身のからだであったが、今からの僕は大勢の兄弟を後ろに控えたからだだ。したがってその間に僕の行動に多少の差がなければならぬ。僕は勿論この覚悟をしている。この点はよく察して貰いたい。