Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Leggi 獄中記 (ごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.988 caratteri · 58 schermate
何もかもあの着物と同じ柿色に塗りたてた建物の色彩は、雨の日や曇った日には妙に陰欝な感じを起させるが、陽を受けると鮮やかな軽快な心持を抱かせる。
「鰯がうんと食えるそうだぜ。」
僕はすぐそばにいた荒畑に、きのう雑役の囚人から聞いたそのままを受け売りした。幾回かの入獄に、僕等はまだ、塩鱈と塩鮭との外の何等の魚類をも口にしたことがなかったのだ。で、この話を聞いた僕には、それが唯一の楽しい期待になっていたのだ。
「それやいいな。早く行って食いたいな。」
荒畑も、そばにいた二、三人も、嬉しそうに微笑んだ。
下駄の緒の心造り
着いて見ると、なるほど建物は新築したばかりでてかてか光っている。室は四畳半敷くらいの、南向きの、明るい小綺麗な室だ。何よりもまず窓が低くて大きい。東京のちょっとした病院の室よりもよほど気持がいい。
が、第一にまず役人の利口でないのに驚かされた。着くとすぐ、みんな一列にならべさせられて、受持の看守部長の訓示を受けた。
「こんどはみんな刑期が長いのだから、よく獄則を守って、二年のものは一年、一年のものは半年で出られるように、自分で心掛けるんだ。」