Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Leggi 獄中記 (ごくちゅうき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.988 caratteri · 58 schermate
だ。
そして翌朝になって、警部が出て来てしきりにゆうべの粗忽を謝まって、「どうぞ黙って帰ってくれ」と朝飯まで御馳走して置きながら、いざ帰ろうとすると、こんどは署長が出て来て、どうしたことか再びまたもとの留置場へ戻されてしまった。
かくして僕等は、職務執行妨害という名の下に、警察に二晩、警視庁に一晩、東京監獄に五晩、とんだ木賃宿のお客となって、
「どうも相済みません。どうぞこれで御帰りを願います」というお挨拶で帰された。
元来僕は、ほとんど一滴も飲めない、女郎買いなぞは生れて一度もしたことのない、そして女房と腕押しをしてもいつも負けるくらいの実に品行方正な意気地なしなのだ。
奥さんも御一緒
それから、これは本年の夏、一週間ばかり大阪の米一揆を見物して帰って来ると、
「ちょっと警察まで。」
ということで、その足で板橋署へ連れて行かれて、十日ばかりの間「検束」という名義で警察に泊め置かれた。
しかしそれも、何も僕が大阪で悪いことをしたという訳でもなく、また東京へ帰って何かやるだろうという疑いからでもなく、ただ昔が昔だから暴徒と間違われて巡査や兵隊のサーベルにかかっちゃ可哀相だというお上の御深切からのことであったそうだ。