Classici giapponesi con furigana
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げんかくさんぼう
玄鶴山房
Leggi 玄鶴山房 (げんかくさんぼう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.434 caratteri · 25 schermate
が、ちょっと頷いたぎり、何も言わずに狸寝入りをした。甲野は彼の枕もとに婦人雑誌の新年号をひろげ、何か読み耽けっているらしかった。玄鶴はやはり蒲団の側の褌のことを考えながら、薄目に甲野を見守っていた。すると――急に可笑しさを感じた。
「甲野さん。」
甲野も玄鶴の顔を見た時はさすがにぎょっとしたらしかった。玄鶴は夜着によりかかったまま、いつかとめどなしに笑っていた。
「なんでございます?」
「いや、何でもない。何にも可笑しいことはありません。――」
玄鶴はまだ笑いながら、細い右手を振って見せたりした。
「今度は………なぜかこう可笑しゅうなってな。………今度はどうか横にして下さい。」
一時間ばかりたった後、玄鶴はいつか眠っていた。その晩は夢も恐しかった。彼は樹木の茂った中に立ち、腰の高い障子の隙から茶室めいた部屋を覗いていた。そこには又まる裸の子供が一人、こちらへ顔を向けて横になっていた。それは子供とは云うものの、老人のように皺くちゃだった。玄鶴は声を挙げようとし、寝汗だらけになって目を醒ました。…………
「離れ」には誰も来ていなかった。のみならずまだ薄暗かった。