Classici giapponesi con furigana
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げんだいしょうせつてんぼう
現代小説展望
豊島 与志雄
Leggi 現代小説展望 (げんだいしょうせつてんぼう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.254 caratteri · 70 schermate
金華山の沖は波の荒いので有名だった。太平洋の涯から、山なす怒濤が、あとから、あとからじかに打ちつけて来た。船を揉み、放り上げ、うねりの底へ引き摺り降し、また抛り上げた。船は始終、寒気と、転覆の危険と、たたかいながら、吹雪や霧のために陸地の影も見えない遥かな沖で、鱶や鮫のいる潮流を探し索めて、激浪のなかを彷徨した。見つけると、縄のように太い釣糸を投げた。餌は鰯を使った。口に針を引っかけた一丈に近い大魚は、釣糸を断ち切ろうとして、気狂のように波間を浮き沈みしながら、躍り、猛然と身を蜿らせ、尾と鰭で強く水面を叩き、白い腹を見せて空中に跳ね上り、船を傾け、引き摺り、グググーッと水面深く沈んで行った。
鱶釣りの発動機船は、激浪のために、よく転覆した。そして、乗組みの漁夫たちは、激浪に呑まれ、鱶の餌食となり、そのまま行方知れずになり、また手足を喰い千切られた死体となって海岸のどこかに漂着した。
(「海岸埋立工事」―藤沢桓夫)
比較的優れた作品を探して、私は右の一節を得た。がこの一節においてさえも、作者の眼が別なところに向けられていて、情景の――ひいては漁夫の生活の――にじみ出し方が甚だ稀薄なのを、嘆ぜざるを得ない。