Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たまつきばのいちぐう

球突場の一隅

豊島 与志雄

Leggi 球突場の一隅 (たまつきばのいちぐう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.111 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

」と云って村上は笑った、「その方が面白いじゃないか。」

「どうだか。」

「だって君はおたかが好きだろう。好きだと云い給えな。」

「嫌いじゃないよ。……君はどうだ。」

「僕だって嫌いじゃないさ。が好きでもないね。」

二人はまた酒をのんだ。

「ねえ君、」と云って村上はすぐ松井の顔の前に自分の顔を持って来た。「おたかが僕達二人のものだったら、君は僕と決闘でもやるだろうかね。」

松井は黙って村上の眼を見返した。

二人は露わに互の眼を見合った。一瞬間其処には何の愧じらいもなかった。互に裸体のまま相手の凝視の前に立っていた。

松井ははっとした。それが何かということがちらと心に閃めいたのである。彼は拳を固めた。そしてつと顔を引いたと同時に村上も顔をひいた。

「え!」と喫驚したような声を松井は出した。

「さあ飲もうよ。」と村上が云った。

二人はまた少し酒を飲んだ。然し二人の間には軽い敵愾心があった。妙に他処々々しい視線を互の上に投げた。

二人が其処を出たのは九時すぎであった。二人共大分酔っていた。熱い頬に冷たい空気が流れた。街路の灯がいつもより赤いように彼等の眼に映じた。

「球を突いてゆくのか。