Classici giapponesi con furigana
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こはくのパイプ
琥珀のパイプ
甲賀 三郎
Leggi 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.109 caratteri · 37 schermate
可成り保険もあったそうですから」
「失敬な事を云うな!」今まで黙って聞いて居た福島が怒号し出した。「何の証拠もないのに、全で保険金目的で放火したような事を云うのは怪しからん。第一当夜僕は家に居ないじゃないか」
「家に居て放火するなら、塩剥にも及びますまい」
「未だそんな事をぬかすか。検事さんの前でも只は置かぬぞ」
検事もこの青年記者の落着き払った態度に敬意を表したものか、別段止めようともしなかった。
「君がそう云うなら、僕が代って検事さんに説明しよう。いや君の考案の巧妙なのには僕も感嘆したよ。
僕は現場で硝子管の破片と、少し許りの水銀を拾った。つい今まで之から何者をも探り出す事は出来なかったが、子供が塩剥の中毒で死んだと云うことを聞いて、薬局法註解を調べて始めて真相が判ったのさ。検事さん」彼は検事の方を向いて、言葉をついだ。「塩酸加里と砂糖の混合物には一滴の硫酸、そうです、たった一滴の硫酸を注げば、凄じい勢で発火するのです。一滴の硫酸、それを適当の時期に自動的に注ぐ工夫はないでしょうか。水銀柱を利用したのは驚くべき考案です。直径一糎の硝子管、丁度この破片位の硝子管をU字形にまげて、一端を閉じ、傾けながら他の一端から徐々に水銀を入れて、閉じた方の管全部を水銀で充たします。