Classici giapponesi con furigana
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ことのそらね
琴のそら音
Leggi 琴のそら音 (ことのそらね) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.985 caratteri · 42 schermate
厄介きわまるのさ」
「厄介きわまるなら廃せばいいじゃないか」と津田君は下宿人だけあって無雑作な事を言う。
「僕は廃してもいいが婆さんが承知しないから困る。そんな事は一々聞かないでもいいから好加減にしてくれと云うと、どう致しまして、奥様の入らっしゃらない御家で、御台所を預かっております以上は一銭一厘でも間違いがあってはなりません、てって頑として主人の云う事を聞かないんだからね」
「それじゃあ、ただうんうん云って聞いてる振をしていりゃよかろう」津田君は外部の刺激のいかんに関せず心は自由に働き得ると考えているらしい。心理学者にも似合しからぬ事だ。
「しかしそれだけじゃないのだからな。精細なる会計報告が済むと、今度は翌日の御菜について綿密な指揮を仰ぐのだから弱る」
「見計らって調理えろと云えば好いじゃないか」
「ところが当人見計らうだけに、御菜に関して明瞭なる観念がないのだから仕方がない」
「それじゃ君が云い付けるさ。御菜のプログラムぐらい訳ないじゃないか」
「それが容易く出来るくらいなら苦にゃならないさ。僕だって御菜上の智識はすこぶる乏しいやね。明日の御みおつけの実は何に致しましょうとくると、最初から即答は出来ない男なんだから……」