Classici giapponesi con furigana
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びわこのみず
琵琶湖の水
中谷 宇吉郎
Leggi 琵琶湖の水 (びわこのみず) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9773 caratteri · 20 schermate
幸いこの事件は、T博士の尽力によって、無事判定されたらしく、円山の原始林は、今年の冬も静かに雪の中にねむっている。少なくも現在は私はそう思っている。しかし「琵琶湖の水嵩はいくらかは増す」と思い込んでいる連中は、いつ何をやり出すかわからない。
防空用の砂にしても、原始林を薪にする話にしても、数量的にものごとを考える癖が一寸でもある人ならば、こういう誤謬には陥り得ないはずである。ところが現実には、日本の国の要路に立っている人々の中に、この種類の人間が相当数あるように思われる。こういう話をすると、よく「どうも日本の政治家は数学を知らない」とか「科学知識が足りない」とかいう言葉でもって、相槌を打たれる人がある。しかしその評は実は当っていないので、これは数学とか科学とかの問題まで行っていない話なのである。この種の話は大抵の場合、有効数字としては一桁か、せいぜい二桁の割算ですむ場合が多い。小学校の生徒の算術ですむ問題であって、数学などというものではないのである。
そういうふうにいうと、「それでは日本の教育がよほど悪いのでしょうな」といわれる人もある。大学や専門学校を立派に卒業した大人に、小学校の算術が出来ないとしたら、教育が悪いといわれても仕方がない。