Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うりのなみだ

瓜の涙

泉 鏡花

Leggi 瓜の涙 (うりのなみだ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.247 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

なった胸が、臍まで寛ける。

清水はひとり、松の翠に、水晶の鎧を揺据える。

蝉時雨が、ただ一つになって聞えて、清水の上に、ジーンと響く。

渠は心ゆくばかり城下を視めた。

遠近の樹立も、森も、日盛に煙のごとく、重る屋根に山も低い。町はずれを、蒼空へ突出た、青い薬研の底かと見るのに、きらきらと眩い水銀を湛えたのは湖の尖端である。

あのあたり、あの空……

と思うのに――雲はなくて、蓮田、水田、畠を掛けて、むくむくと列を造る、あの雲の峰は、海から湧いて地平線上を押廻す。

冷い酢の香が芬と立つと、瓜、李の躍る底から、心太が三ツ四ツ、むくむくと泳ぎ出す。

清水は、人の知らぬ、こんな時、一層高く潔く、且つ湧き、且つ迸るのであろう。

蒼蝿がブーンと来た。

そこへ……

六

いかに、あの体では、蝶よりも蠅が集ろう……さし捨のおいらん草など塵塚へ運ぶ途中に似た、いろいろな湯具蹴出し。年増まじりにあくどく化粧った少い女が六七人、汗まみれになって、ついそこへ、並木を来かかる。……

年増分が先へ立ったが、いずれも日蔭を便るので、捩れた洗濯もののように、その濡れるほどの汗に、裾も振もよれよれになりながら、妙に一列に列を造った体は、率いるものがあって、一からげに、縄尻でも取っていそうで、浅間しいまであわれに見える。