Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

だが、そのあとは、むろんこちらからも可なりせっせと葛岡にだけは催促のため手紙は出しますものゝこれもおきみにポストへ持って行かせるより仕方がありませんから途中でどうなりますことやら梨の飛礫と申しましょうか、ついにその甲斐ありません。電話室にはいつか鍵が取付けられていて、その鍵を預るおきみに開扉を命じますと「はあ、わたくしがお呼び出し致しましょう。何番で、むこうさまのお名前は」と言って、いっかなわたくしが直接に呼出すのを諾いませんでした。

池上は病的な嫉妬家でしょう。おきみはその助手でしょう。そして、多分、もう葛岡のことも嫉妬家の敏感さで池上は感付いているのかも知れません。

わたくしは早くもそうと解しましたので幾度か、わたくしの目論みのいとぐちを繰り出さずに投げ捨てゝ、寮を出てしまおうかと思ったり、ときには思い切って一か八か池上に突っかってみようかと決心したことがあります。だが、そういうとき、まともに見る機会によって、池上から妙にそのどっちをも切出せない不思議な気持を起させられるのでありました。このインテリで独断家でエゴイストに見える男に、とても弱い影がありまして、わたくしが自分の目論みを投げ捨てるか繰出すかそのどちらにしましても、一つの強い決意を持ちまして彼に立向うとき、その弱い影はあだかも陽の中の秋水