Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
おきみに訊いてみるがいゝ。あの何の感覚もない氷魚のような娘のおきみさえ、粥の道具のあくのを待つ間、あの唄声を聞いて、俯向いて涙をぽろ/\と零していた。
蝶ちゃん、あんたは、あんた自身はまだ知らない。しかし、こういう弱い果が却って強い果になる。蝶ちゃん、あんた自身には知れないで、あんたの中に潜んでいる不思議な力があるのだ。そして僕は、あの声を聞いてから、眼の前の色も香もあるふだんの蝶ちゃんには少しうとましい感じがして来た。この蝶ちゃんは普通の女より一桁張りのある艶っぽい娘に過ぎない。しかし、あの呟く唄をうたった色も香もない蝶ちゃん、それは地について而かもどのくらい拡がりがあるか判らない性格の持主であるように受取れる。あの蝶ちゃんにいま僕は無性に牽かれつゝあるのだ。
眼の前のこの蝶ちゃんなら、いつかお互に気まずい思いをして一たん訣れてしまったら、やがては忘れ去るときも来よう。だが、あの呟く唄をうたった蝶ちゃんなら、どんな激しい憎み合いをしているときでも、必ず心と心に一本の糸は引き合い、たとえ、その糸は蓮の糸ほど、か細く眼に見えないものであろうと、手繰れば、また元通りに納まるのみか、あの声の主の蝶ちゃんなら、たとえ幽明ところを異にしても、逢い度いときはいつも相逢えて、寂しくはあるが天地の間にたった二人切りの親しい