Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

わたくしは、これからさきどんな幸福でも見舞って来るかのような楽しさが胸ににじみ湧いて来ますのを、なに、後先きに関係もない、たゞ刹那の子供のうちからの習慣と、軽蔑しながら、別にその楽しさを消す気もございません。

池上はあたりの景気など格別面白くもなさそうに、しかも酒が少し廻って来たせいか、やゝ感傷的な声になって、

「実をいうと、蝶ちゃんが旅さきで、どういう身状をしているか、連の相手の葛岡さんという青年が、こんな律儀な方と思わないものだから、誘惑されてしまったのじゃないか、それが心配で、地団太を踏んだものだ。――焦燥の遣り場に困って、手近のおきみには当り散らす、おきみをお側室さまにして身の上の面倒を見なけりゃならなくなる機会を作ったのも、当り散らす弾みの一つが変形したものに過ぎないのだった――蝶ちゃんが勝手な真似をしているのに、こっち一人、お膝に行儀よくお手々をついているのは業腹だという妙な意地もあった――」

それから改めたように盃を盃洗で灌いで葛岡に差し、

「ねえ葛岡さん、そう言っちゃ何んだが、あんたのような、ちっとも臭味のない植物性の青年なら、蝶ちゃんの肉体ぐらい任せても口惜くないね」