Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

女が心から「どうせ、あたしゃあ――」と言うときは、もはや他からの如何なる力も抗し難い。そして自分に対して残虐極まりない自分の逞ましさの上に恃みを見出して来るときであります。

わたくしは安宅先生が指摘したように水の性とみえて、未だ嘗て、まともに他の女と闘った覚えはありませんでした。闘うべくばなよ/\と相手のまわりを蘆手絵の模様に流れ周って、末遂げて来ました。どこかに狡いいのちがあるのでしょう。しかし若しまことに闘い、そして最後のものが敗れるとしたら、恐らくこの眼の前に見る女乞食の仕方に於てにだけわれを保ちわれを慰めるにきまっています。いま眼前に見る女乞食の醜い狂いざまは、他人事とは思えなくなりました。

わたくしは、

「後生だから、その真似よしてね、その代りこれ上げるから」

と、材木屋のご新造の呉れた着物二枚を脱いで女乞食に投げ与えました。

したが女乞食は、

「いらねえよ」

と、さも憎々しげに言って、それからしばらくして、しく/\泣きながら去って行きます。いよ/\この白痴にも最後までも同性に負け度くない女の性の残存するのを感ずるとわたくしは妙に膚寒くなりました。