Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

わたくしはそれを控えるためには女乞食から手を没義道に振り離して逃れ去るの一手でした。

女乞食がやけ酒をのみ独りで酔っぱらって町中をおめき歩くのもしば/\見受けるようになりました。そういうときわたくしを見かける場合には、いつか地蔵堂へ襲って来てわたくしの眼の前で演じたと同様な破れかぶれの捨鉢な所作を繰返します。わたくしは顔をそむけながらも蔑すみ果てるわけには参りませんでした。

冬は余寒に極まって梅咲く春に向いました。殷々と響く初午の太鼓。かなたに多那川の堤を焼く煙。野地の籔鶯。畑に麦踏む頬冠りの人。藍染橋を渡る野良猫と町の猫との恋。

水がぬるんで来て、枝川にのっ込みの鮒を釣ろうと竿さきを立てゝ動き歩く釣人の影が見えます。彼岸ざくら、鳧鐘を頸に六阿弥陀詣りの善男善女。燕が風切羽と尾羽とを打ち交わす度に白い腹が翻ります。

桜、野地に角組む萩、泥洲に蘆の角。すみれ、野蒜摘み。野菜畑に茫々と花茎が立ち、藤、牡丹のはつ夏。

贋唖と知られて一時、町や郭の人々の眼はわたくしに対して詰る色が角立ちましたものゝ、乞食仲間は案外平気です。そんな術で貰いものが多いのなら、まあ、やってみるがいゝのさという顔をしています。