Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
と言った。
彼は言う――すでに買われた幇間である、聘ばれている間は客の弄びもの許りではなく客が唯一の主である以上、客の生命さえ護る心得がなくてはならない。幇間といえばなに一つこれを売ものとして出せるほどの纏った芸はない。それを買って下すってご飯が頂戴できる買い主には、せめて買われている間だけでも相手の身体を命をもって護らねばならない。これこそ男芸者の勤めと共に誇りでもあるのだ。これ位の情操と誇りを持たずして、どうして人に爪弾きされる男芸者という職におのれの良心に許されて身が勤まろうか。自分は客と伴って座敷から廊下へ出るとき、既に、仮りにも客に対する刺客の潜んでいることを予想している。そしてその刺客が打ちかゝった場合にあらゆる方面から盾となり客の身代りに立つ身構えと心用意を怠らない。「命がけの姿形というものは誰だって隙がなくて惚々するものよ」――蝶子、わたしは父親に命ぜられてこういう気質の幇間のところへ内弟子に遣られた。わたしの父は日本橋界隈でいくらか名の通った踊の師匠だ。けれどもその名の通ることに於て到底滝廼家鯉丈とは較べものにならない。吉原洲崎を除いた都下花柳街の男芸者は大概鯉丈の一門なのを誇りとし、滝廼家を名乗っていた。