Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
老人がこのポーズを取ったあと、口振りとはおよそちぐはぐの恨めしそうな白眼でちろりとわたしの方を見て、それからもぞ/\と身体をわたしと反対の方へいざり向け、何やら覚束なく手慰みの細工仕事に向うそのうしろ肩の寂しさ。父には諦めに扱き剥かれた裸鳥の首のような寂しさがあり、師匠には強情な負惜しみから大木の幹を打って空の音のする太味の寂しさがあった。どっちにしろわたしの腸に苦酸く浸み込む。わたしは宿の妻を持って、この二恩人にやゝ反抗の勝利を感じながら最後には「えゝ、もう自分なんかどうでもいゝ、あの年老いた餓鬼たちの夢の餌食になってやれ」と身を抛つ決心をするのだった。
蝶子、わたしが小娘のおまえに年甲斐もなく縋り付いても嘆き度かったのは、このわたしの気の弱さだ。わたしはどういうものかおまえを見た最初からこれを訴えたかったのだ。この心を通じさして貰い度い、それが潜在しながら世俗不敏なものが途中いろ/\の思わぬ作略をした。あーあ、わたしが外面は洒落の風流人で、江戸気質で、ソレ者、通人と言われ、ときには自分から放埒無慙の人間のようにも見せかけていたのは、たった一つ自分に在るこの気の弱さを隠すカムフラーヂュに過ぎないのだ。