Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
わたしは真のおまえに逢った。いじらしさ限りない女に逢ったのだ。
話は前に戻って、わたしは一方で宿の妻としてお艶を得て幸福を味い、一方おのれを抛って父や師匠の理想の犠牲の道具になろうとしている。わたしは幇間の方はなるべく蕪雑なお座敷は断って、高級な方ばかり勤め、余力を作って俳道を励んだ。収入多かろう筈はない。わたしはお艶に貧乏さした。お艶に当時のこころを訊いてみるとかの女は言った――貧しさはちっとも嫌ではない、たゞあなたが専心に自分に向って呉れないのに失望を感じたと。そりゃそうなのだ、いくら選び捨てると言っても幇間はお座敷が商売である。出る夜は多い。わたしに稚気もあって、女房持ちになってから兎角家にこびりつく、つまり野暮だと言われ度くないために仲間の交際いは出来るだけ勤めたい。花婿姿の紋服を着てお茶屋へも行き嘗てわたしと浮名を謡われ、而かもわたしを直ぐ袖にしてしまった商売女にそれを見せつけてもやりたい。
ところがお艶という女は聖女と童女と混った女である上になお魔女のところもあった。かの女が男を得ると、その男の心にまだ安心ならないうちは男に対して二時間でも三時間でも一室中に瞳と瞳と合わして睨み合わさす所為を課するような事もする。