Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
次いでお艶はわたしを「おじさん」と呼び出した。如何にそれがいろ気がないばかりでなく女に対して義務のみで、権利は一つも主張されない都合のよい呼名であることよ。蝶子、おまえもお艶に習ってわたしを「おじさん」と呼ぶ。秋雄もそう呼ぶ。あーあ、やんぬるかな。
お艶は名に於てわたしをおじさんと呼ぶと共に実に於てわたしにおじさんと同じような世話を焼かした。幾人かかの女が生涯で次々と愛し取った男女をわたしはお艶諸共、迷惑にならぬために、わたしは支えたり庇ったりした。わたしが庵に同居し俳道の弟子にする秋雄と俳名する人物もその一人である。もとはその職業界に於ても嘱望されていた一廉の青年紳士だったが、お艶は彼を前途からぎ取って来て、わたしに預けた。わたしはこれを庇った。
お艶はかゝる事件を惹起し、それを凌いで掌裡に収めるまでには何度でも毎回新なる情熱を湧かし、一本気でいのちがけの行動をした。わたしは毎回魂を燃え立たして、それから電火のような紫の焔を放つかに感ぜしめられるかの女に怯えもし、その真摯に頭を下げた。
しかし、最初のほどはまだわたしにかの女に対する未練からの嫉妬があり、臆病からの世間態も考えないことはない。