Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
「ねえ、おじさん、あれをどうかしてやれよ」と、かの女はわたしにひと言葉晩年に言った。わけは蝶子、おまえの結婚のことだった。自分の仕出来したことは結局わたしに後仕末をさして、わきへ行ってだけはつく/″\わたしへの感謝の言葉を放っていたが、わたしに面と向っては頼んだり礼を言ったりは滅多に出来ない生れ付きの性質であるかの女が、こう言うのはよく/\のことなのだと察した。お艶がどうして蝶子、おまえにこれほど念を残したかわたしには判らない。たぶん、かの女は結局は寂しい人間で、姪のように感じられるおまえに唯一肉身の親しみを覚えたのではあるまいか。
だが、おまえの結婚というものはおまえがたいして望んでいないだけにこれはちょっと骨が折れる。わたしはおまえを庵へ呼んで多分お艶がおまえに向ってこれが気持だったと思うところを述べて、おまえの気を結婚に向けようとした。お艶にしてみれば自分のいのちを燃やし切ること一筋に気を入れ、殆ど他人の世話に力及ばなかったことを顧み、寂しい気がしたのと、それから流石のお艶も、あまりに奇矯な自分の生涯を顧みては切なく、せめて愛する同性のおまえには平凡とするも無事な道を辿らせようとしたのではあるまいか。