Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
靄に金色がさしてそれが壁のように一側厚く明るんでいるのが見えました。わたくしは最後の目的を見付けたように心勇んでその靄の壁に突入しました。そこは櫟林の外れで、櫟林から離れると緑の葉にきら/\陽が煌めいている大根畑がありました。
わたくしは自分のもと住んでいた天地に再び逅り会った気がして、珍らしく辺りを見廻しました。いつの間にか櫟林を抜けて、川上の側で川へ突き出ている丘の背に出てしまっているのでした。見渡すと靄はかなり晴れて川岸の丘にはまた先に櫟林のあるところまでは畑続きの平地で、如何にも滋養のありそうな黒土に野菜が緑の点状に無数に並んでおります。農家が四つ五つ見えます。川越しの基点の三本継ぎの電信柱が見えます。底を望むように低く石川原が広くなった多那川に川の瀬が幾筋にもわかれて流れ下って、それがまた一筋に纏まって岸の丘の下へ入って行きます。川向うは石川原から冬枯れの雑木が生い茂り、その褐色が起伏するのへ松林が混ると、地層はだん/\に高みを増し、松山続きとなると、川と平行して川下へ下る大きな尾根の丘陵にまでその松林は届いています。遥かに紫色に雪の襞を挟んで秩父連山が見えます。