Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate

Aozora Bunko

困ったものだ」

わたくしは老人の話を聞きながら、いろ/\思い廻らしているうち、わたくしの心は吃驚して来ました。わたくしが知らぬ間に、何かわたくしがこの人々に影響を与えていて、それが突然眼の前に大きく現れたように感じたのですから。わたくしの胸は焦り立ち、唇はわな/\慄え、居ても立ってもいられない気がして来ました。わたくしは、すっくり立上るや老人に、

「さよなら」

と言ったなり、学園の方へ一散に駆け出しました。老人は何の事か知らない様子で、

「銀杏々々」と呼んでいました。

兼て知った近道を走って、息も切れ、身体もへと/\になって、わたくしは安宅先生のヴヰラの玄関へ馳せつけました。歳暮の風呂敷包は元通り踏石の上にありながら、ヴヰラの扉には学園の用箋へ先生の太い万年筆の文字で、

先生は、今年は少し早くスキーに出かけます。明日のクリスマスはやめます。

十二月二十四日昼あだか

みなさん

と書いてありました。

わたくしは、一生懸命、呼鈴の紐を牽いてみました。何の答えもありません。

わたくしは、しどろもどろになって、園庭の道具小屋へ葛岡を探しに行きました。戸が締って、戸には正月の藁注連がかゝっていました。