Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
すると、葛岡は、
「何もかも、あとでゆっくり話すが、さしずめ、どこか二人だけでいられる場所はあるまいか」
と言います。わたくしは何だか葛岡が癪に触っているので、
「そんなところ、知らないわ」と言いました。
葛岡は、さっと顔に怒気を見せ、
「そんな、わが儘な素振りをしている場合じゃないんだのに。絶体絶命の人間が二人出来ているんだのに――」
と、あとは力も脱けて言います。
こゝではじめて、わたくしは、事の仕儀の重大なのを漸く悟りまして、
「じゃ考えるわ」と言って、いろ/\と考えた末、及ばぬ智慧を絞って芳町まで出て、そこの鰻屋に入りました。母が始終、うちへ来る若旦那たちに、ランデヴーには鰻屋が一ばんいゝ。誂えたものが出来るまでに時間がかゝるからと言ったのを、厭な智慧を授けるものだとそのとき思ったのを、いま思い出してやっぱり厭な智慧だと思いながら応用したわけでありました。
正月髷に島田かなにかに結ってる女中が、座敷へ案内して、注文を受けて引取ったあと、二人の間にちょっと手持無沙汰の時が過ぎました。床の間には日の出に濤の掛軸がかかり、その前に真綿で作ったお供餅に細工ものゝ海老が載っています。