Classici giapponesi con furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Leggi 生々流転 (しょうじょうるてん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 297.521 caratteri · 586 schermate
そういう疑を起した自分の方が却って陰のある人間で、先生を汚すものではないかと自分を叱りもした。
「ところが――」と葛岡はこゝでちょっと考えを変えるように間を置いてから、言いました。
「そのこころを二つに割ったのは蝶子さん、あんただよ」
と、葛岡は言葉を改めて言い現しました。
人の好き嫌いは、何だか生れ付きに定まっているように思う。まだ十三四歳の少女で、下げ髪を振り乱し、靴の足を外輪に踏みしだいて校庭を駆け歩く時代から、あんたは、自分の心に浸みた。派手で勝気で、爛漫と咲き乱れる筈の大輪の花の莟が、とかく水揚げ兼ねている。あんたはそういう女だ。その蝕みは何処にも見えない。茎は丈夫だし、葉は艶々しい。それでいて莟は水揚げ兼ねている。
それだけに余計いじらしい。恐らく、この風情を気付くものは、他にあるまい。自分には判る。花作りを職業とする自分には判る。
少年のうちから暮しの苦労で、おなじように、何か水を揚げ兼ねているものを身の内に感ずる自分にはひと目で判った。
蝕まれた莟の女は美しく心を牽く、雲間の日のように、風に揺られる水のように。
男が蝕まれた場合にはたゞ/\乾燥する。