Classici giapponesi con furigana
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せいとしとのきろく
生と死との記録
豊島 与志雄
Leggi 生と死との記録 (せいとしとのきろく) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.961 caratteri · 39 schermate
それを私は座敷の柱に貼りつけた。
私は九星とか易占とかを信じなかった。凡ては自分の意志であると信じていた。もし本当に超自然の理法があるならば、それに自分の意志を以てうち勝ってみせる、と私は云っていた。
「それであなたはいいでしょうけれど、他の者にはそれだけの強い力が無くて倒れることがあるかも知れませんもの。」そう芳子は云った。長い間種々な不幸のために、勝気な彼女も大分弱々しくなっていた。
「なに家の者は皆僕の意力で保護してみせる。」と私は答えた。
然し私は本当にその力を持っているか?
私はそんなことを考えて眠れなかった。起き上って家の中を歩き廻った。それから私は二階に上って、三畳の方の戸棚を開いた。去年の今月十一日に死んで漸く一週忌が終ったばかりの父の新らしい位牌があった。私はその前に蝋燭と線香とをつけた。そうするのは私のその時の心に如何にも自然だった。堯もよくその前に手を合したことがあった。
仏壇の下に小さな箱があった。私はそれを開いてみた。小さい草履や鬼子母神の像などがはいっていた。
私の家は、故郷の田舎の家は、代々子供が育たなかった。家の後を継いだのは皆養子であった。