Classici giapponesi con furigana
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
Leggi 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.587 caratteri · 100 schermate
山すその岩壁に打ちつけた波は、煮えくりかえった熱湯をぶちつけたように、湯げのような白沫を五丈も六丈も高く飛ばして、反りを打ちながら海の中にどっとくずれ込む。
その猛烈な力を感じてか、断崕の出鼻に降り積もって、徐々に斜面をすべり下って来ていた積雪が、地面との縁から離れて、すさまじい地響きとともに、何百丈の高さから一気になだれ落ちる。巓を離れた時には一握りの銀末に過ぎない。それが見る見る大きさを増して、隕星のように白い尾を長く引きながら、音も立てずにまっしぐらに落として来る。あなやと思う間にそれは何十里にもわたる水晶の大簾だ。ど、ど、どどどしーん‥‥さあーっ‥‥。広い海面が目の前でまっ白な平野になる。山のような五百重の大波はたちまちおい退けられて漣一つ立たない。どっとそこを目がけて狂風が四方から吹き起こる‥‥その物すさまじさ。
君たちの船は悪鬼におい迫られたようにおびえながら、懸命に東北へと舵を取る。磁石のような陸地の吸引力からようよう自由になる事のできた船は、また揺れ動く波の山と戦わねばならぬ。
それでも岩内の港が波の間に隠れたり見えたりし始めると、漁夫たちの力は急に五倍にも十倍にもなった。