Classici giapponesi con furigana
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
Leggi 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.587 caratteri · 100 schermate
岩内の町でのたった一人の話し相手のKは、おれの絵を見るたびごとに感心してくれる。そしてどんな苦しみを経ても絵かきになれと勧めてくれる。しかしKは第一おれの友だちだし、第二に絵がおれ以上にわかるとは思われぬ。Kの言葉はいつでもおれを励まし鞭うってくれる。しかしおれはいつでもそのあとに、うぬぼれさせられているのではないかという疑いを持たずにはいない。どうすればこの二重生活を突き抜ける事ができるのだろう。生まれから言っても、今までの運命から言っても、おれは漁夫で一生を終えるのが相当しているらしい。Kもあの気むずかしい父のもとで調剤師で一生を送る決心を悲しくもしてしまったらしい。おれから見るとKこそは立派な文学者になれそうな男だけれども、Kは誇張なく自分の運命をあきらめている。悲しくもあきらめている。待てよ、悲しいというのはほんとうはKの事ではない。そう思っているおれ自身の事だ。おれはほんとうに悲しい男だ。親父にも済まない。兄や妹にも済まない。この一生をどんなふうに過ごしたらおれはほんとうにおれらしい生き方ができるのだろう」
そこに居ならんだ漁夫たちの間に、どっしりと男らしいがんじょうなあぐらを組みながら、君は彼らとは全く異邦の人のようなさびしい心持ちになって、こんなことを思いつづける。