Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Leggi 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.598 caratteri · 182 schermate

Aozora Bunko

人を魅する不思議な偉大な力を! で、信者達が集まって来まして、このような建物をまたたく間に、建ててしまったのでございます」

「白河戸郷という彼の土地にも、同じように回々教の信者が、集まっているようでございますな」

「ええ」と、浪江は苦痛らしく云った。

「それで父上には白河戸郷を、憎んでいるのでございます」

「同宗という誼みから親しくすればよろしいのに」

「父は反対に申しております。白河戸郷を滅ぼして、彼の地に立っている神殿のうちの、重大なものを持って来なければ、丹生川平の本尊は、完全であるとは云われないと」

「白河戸郷の長という人は、どういう人物にございますな?」

「父の同門でありましたそうで。そうして父と同じように、何か重大な物を持って、父とほとんど同じ時に、父のように江戸から身を隠して、白河戸郷へ参ったのだそうで」

そう云った浪江という娘は、面長の顔、愁えを含んだ眼、肉感的のところなどどこにも見られない薄手の唇、きゃしゃで痩せぎすで弱々しそうな体格! 一見人の同情を呼び、尊敬を呼ぶに足るような、そう云ったような娘であった。それでいて一本の白百合のような、清浄な美しさに充たされていて、しかも犯すことの出来ないような、威厳をさえ持っていた。