Classici giapponesi con furigana
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Leggi 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.598 caratteri · 182 schermate
数人の郷民を切り斃して、そこまで行った茅野雄であった。
「黒石を土足で穢した逆賊!」
すぐに覚明の喚く声がした。
「躊躇する汝らも逆賊であろうぞ!」
またも茅野雄を取り囲んで、人間の渦が渦巻き返った。
しかしその次には全く意外の、驚くべき事件が演ぜられた。
老人の声ではあったけれど、底力のある威厳のある声で、
「極東のカリフ様がおいでなされたぞ! 謹んでお迎えなさるがよろしい!」
つづいて威厳と清浄と、神々しさと備えたような声が、若さをもって聞こえてきた。
「覚明殿、殺生はお止めなされ!」
一同の者は声の来た方を見た。
一ツ橋慶正卿の高朗とした姿が、老将軍のような碩寿翁を連れて、此方へ歩いて来るのが見られた。
大森林の中で野馬を捕らえ、丹生川平へ駛らせて来た、慶正卿と碩寿翁とが、この時到着したのであった。
超人には常人などの、及びもつかない神性がある。駕籠に乗って歩かせていたばかりで、碩寿翁ほどの人物を、目的の長崎へやろうとはせず、飛騨の地へ来させてしまったことなどは、神性のしからしむるところであり、茅野雄と浪江との恐ろしい危難を、洞察したのもそれであり、飛騨の地に回教を密修している、二つの郷のあることと、回教にとって重大の価値ある、ある「何か」