Classici giapponesi con furigana
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たはらしのはんざい
田原氏の犯罪
豊島 与志雄
Leggi 田原氏の犯罪 (たはらしのはんざい) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.957 caratteri · 57 schermate
彼はコップを下に置くと、良助の袴姿をじろじろ見ていたが、それから田原さんの方に向いて頭を下げた。
「とんだ御厄介になりました。もう大丈夫です。」
そう云って彼は帰りかけた。
「まあゆっくり休んでゆくがいい。」と田原さんは声をかけた。
「なに大丈夫です。相済みません。これからもう酒はきっぱり止しちまいます。全くです。……おい良助、お前もな、しっかり勉強しなよ。」
徳蔵は逃げるようにして出て行ってしまった。
良助は其処に立ったまま黙って父の後姿を見つめていた。
その時田原さんは妙に不機嫌な顔をした。何か忌々しいものが、対象のない漠然とした忌々しさが、彼の頭に絡んできた。そして黙っていた。
その時良助は田原さんの方へ向いて云った。
「父はどうしたんでございましょう。」
「なに、酒に酔って来たから寝かしておいたんだ。」
「それでも何か、ぎらぎら燃え上って頭にがーんとぶっつかったとか云っていましたが。」
「昼間泥酔したせいだろう。……自分で自分の身体に火をつけてるんだ。」
良助は黙っていた。
「なに心配することはない。酒は止すと云っていたじゃないか。……早く袴でも取って水でも浴びて来るがいい。