Classici giapponesi con furigana
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たばたのきしゃそのほか
田端の汽車そのほか
宮本 百合子
Leggi 田端の汽車そのほか (たばたのきしゃそのほか) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8507 caratteri · 17 schermate
それはアンペラである。丁寧に、繩の結びめも柔かくアンペラで頭部をかくまわれた。雪と霜とで傷められるのに忍びないのであろう。
キビの葉は乾いた音をたてて、この辺の焼けあと、あちこちに立っている。白山の停留場に立っていると、昔から鶏声ケ窪と云われた窪地が今はじめて私たちの目の前に展開されている。窪地に廃墟が立ち、しかし樹木はこの初夏格別に美しい新緑をつけた。高低のあるこの辺の地勢は風景画への興味を動かすのである。ほんとうに、ことしの新緑の美しかったこと。地べたの中にアルカリが多くなっていたせいか、新緑は、いつもの年よりも遙かに透明ですがすがしく、エメラルド・グリーンに輝いたフランスの絵の樹木の色を思い出させた。焦土に萌える新しい緑へのよろこびからばかり、その美しさが見えたのではなかった。
〔一九四七年七月〕