Classici giapponesi con furigana
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えのかなしみ
画の悲み
国木田 独歩
Leggi 画の悲み (えのかなしみ) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4772 caratteri · 10 schermate
られて歩いた。志村も同じ心、後になり先になり、二人で歩いていると、時々は路傍に腰を下ろして鉛筆の写生を試み、彼が起たずば我も起たず、我筆をやめずんば彼もやめないという風で、思わず時が経ち、驚ろいて二人とも、次の一里を駆足で飛んだこともあった。
爾来数年、志村は故ありて中学校を退いて村落に帰り、自分は国を去って東京に遊学することとなり、いつしか二人の間には音信もなくなって、忽ちまた四、五年経ってしまった。東京に出てから、自分は画を思いつつも画を自ら書かなくなり、ただ都会の大家の名作を見て、僅に自分の画心を満足さしていたのである。
ところが自分の二十の時であった、久しぶりで故郷の村落に帰った。宅の物置にかつて自分が持あるいた画板があったのを見つけ、同時に志村のことを思いだしたので、早速人に聞いて見ると、驚くまいことか、彼は十七の歳病死したとのことである。
自分は久しぶりで画板と鉛筆を提げて家を出た。故郷の風景は旧の通りである、しかし自分は最早以前の少年ではない、自分はただ幾歳かの年を増したばかりでなく、幸か不幸か、人生の問題になやまされ、生死の問題に深入りし、等しく自然に対しても以前の心には全く趣を変えていたのである。